OUT


「ぅあぁああぁあ!!!!!」

そう叫びながら、桜樹は1番右のドアに入ろうとした。



「和銅!!!」


夢が桜樹を追い掛けた。



――――ガチャ―




「出口は何処だ出口は何処だ出口は……」


桜樹はそう呪文のように呟きながら部屋に入った。


「…危ないよ!!!!和銅くん戻ってきて!!!」


美咲が桃の腕の中で叫んだ。


「和銅!!!」

深美も、夢の後ろから名前を叫んだ。


だが、桜樹は反応せず、部屋の中をキョロキョロと眺めていた。


「違う…なんだここ…出口じゃな…」


―――――ヒュ…!!!


桜樹が続きを言おうとした瞬間、



鉄の塊のような物が、天井から落下してきた。


そして……



――――グチュ!―


「ひゅ…!!!」





「……っひ…!!」


夢は思わず叫んでしまった。


目の前にいた桜樹が一瞬で潰されてしまったのだ。


奇妙な音をたてて…

最後に喉が潰れるような音をだして……




「いっやぁああぁあ!!!!!」


桃と美咲が泣きじゃくりながら奇声をあげた。


桜樹が潰された瞬間、竜のガムがパンッと音を鳴らして割れた。


そのあと、竜がすくっと立ち上がった。


永遠は目眩がした。




―――もう…一人死んでしまった…―




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