OUT

和銅桜樹が死んでから、……否、ゲームが始まってから、1時間が過ぎようとしていた。


桜樹の死を目の当たりにし、しばらく放心状態だったみんなが、やっと行動にでた。






「ネロちゃん…ここにはどのくらいの幽霊がいるの…?」


真理和…さっきからネロばっかに喋りかける。


「…無数にいるょ…どのくらぃここで死んだんだろぅね…」


ネロはプラチナブロンドの髪を弄って、向こうを見ている。


「…それ…怖くないの?」


「元は生きてた人達だから…なンにも怖くなぃよ…」


真理和はニコッと笑うと
「なんかすっげぇや」
…と呟いた。


その言葉をネロは聞いていたみたいで、
「…私を信じてくれる貴方の方が凄ぃよ…」
…と呟いた。



「なぁ川里ネロさん、ぶっちゃけ俺、幽霊とか信じてないけど、みんなどんな表情してるわけー?泣いてんの?笑ってんの?」

竜がぶっきらぼうに言うと、ネロは眉を寄せて、呟くように言った。


「…殺されてるのに笑うわけなぃよ…」



竜はそれを聞き逃さず、返事を返した。


「テレビの幽霊は人間を見るといっつも笑ってるのにねー。ニヤッて、不気味に笑うし」


「そんなの…知ったこっちゃなぃ…」


ネロは軽く笑った。


竜はネロの予想外な返事に受け、ゲラゲラわらった。





―――そうしてる間に、古びたドアが見えた。



< 37 / 334 >

この作品をシェア

pagetop