OUT
和銅桜樹が死んでから、……否、ゲームが始まってから、1時間が過ぎようとしていた。
桜樹の死を目の当たりにし、しばらく放心状態だったみんなが、やっと行動にでた。
「ネロちゃん…ここにはどのくらいの幽霊がいるの…?」
真理和…さっきからネロばっかに喋りかける。
「…無数にいるょ…どのくらぃここで死んだんだろぅね…」
ネロはプラチナブロンドの髪を弄って、向こうを見ている。
「…それ…怖くないの?」
「元は生きてた人達だから…なンにも怖くなぃよ…」
真理和はニコッと笑うと
「なんかすっげぇや」
…と呟いた。
その言葉をネロは聞いていたみたいで、
「…私を信じてくれる貴方の方が凄ぃよ…」
…と呟いた。
「なぁ川里ネロさん、ぶっちゃけ俺、幽霊とか信じてないけど、みんなどんな表情してるわけー?泣いてんの?笑ってんの?」
竜がぶっきらぼうに言うと、ネロは眉を寄せて、呟くように言った。
「…殺されてるのに笑うわけなぃよ…」
竜はそれを聞き逃さず、返事を返した。
「テレビの幽霊は人間を見るといっつも笑ってるのにねー。ニヤッて、不気味に笑うし」
「そんなの…知ったこっちゃなぃ…」
ネロは軽く笑った。
竜はネロの予想外な返事に受け、ゲラゲラわらった。
―――そうしてる間に、古びたドアが見えた。