OUT


「……ドア…」

桃はドアを見ると、不安げな表情をして呟いた。

隣にいる美咲は、ドアを見ただけで泣きそうだ。




深美が苦い表情をすると、竜に言った。


「…でさ…実際にこの中を確認するのは誰なんだよ…」


すると竜が言った。


「じゃんけん。それ以外になにもないじゃろ?」


みんなは呆然と竜を見る。

「…んー…つまりーじゃんけんも命懸けってこと?」

真理和が竜に質問すると、竜はニコッと笑って
「ま、そうなるだろぅよ」
…と返した。



すると、美咲が、
「それって…負けた人は死ぬってこと?」
…と竜に言った。


「んまぁそれは負けた人の運と努力じゃない?罠にかかる前に、こっちに戻ってきたらいい訳ですし」


みんなの顔が青くなる。




「…んじゃ、パパッといくよ、じゃーんけーん…」


ぽん




「…う…」

「…っ」


このじゃんけんに負けたのは、夢と深美だった。





「んじゃ、いってらっしゃーい」


竜がひらひらと手をふった。

みんなは心配そうに二人を見る。



「…ちっ」

深美がドアノブを握った。



――――ガチャ―――





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