OUT



―――ガシュ……




冷や汗が額を伝う。




「はぁ…は…はぁ……」


深美はゆっくり目を開けると、そこには、苦しそうな表情をする夢がいた。

「…………え…」


「大丈夫か!!?今引き上げるから…!!!」



やっと、今の状況がわかった。


夢が自分の腕をギリギリ捕まえてくれて、今自分の体は宙に浮いてる状態になっている…つまり、助かった事を。


「…あっぶね…ぇ」


夢の首が壊れた破片のせいで、血がでている。


やっとの思いで深美を上げると、夢が深美の体に触れた。


「…どこも怪我してないみたいだな…」


深美は夢に頭を下げた。


「…本当…ありがとう……俺…お前がいなかったら…あいつらみたいに…刺さってた…」


深美は奥の剣の頭に刺さっている骸骨をチラ見すると、足をガクガクさせた。


「…そんなの…俺は別に…!…早くいこ…」


夢は深美の手を引っ張り、部屋の外へ連れ出した。



しばらく、みんなそこから動かなかった。




< 40 / 334 >

この作品をシェア

pagetop