OUT
やっと部屋から出て来た二人に、みんなはすぐに駆け寄った。
「大丈夫か!!?怪我してないか!!?」
真理和が眉をハの字の形に寄せて、夢と深美を交互に見た。
「……あぁ、浩崎が助けてくれたから…助かったよ…」
夢は深美の言葉を聞くと、焦ったように言う。
「…いやいや…!!俺はそんな…!!」
真理和は目尻に涙を滲ませながら、夢をつっついた。
「わけわからない所で遠慮してんじゃねーよ…ほんっと…ありがとな…!」
真理和がそう言った後、深美は苦笑いして言った。
「……なんでおまえがありがとうとか言うんだよ馬鹿。」
「……だっ…!!俺は馬鹿なおまえに代わって、この救世主に御礼言っただけですから!!」
真理和はしかめっつらで深美にそう言った。
「…けど…本当によかった…!」
「……え?」
みんなは弱々しく呟いた声の主を見た。
「……もし…また誰かが死んじゃったら…悲しいじゃない…」
声の主…湯口桃は大きな瞳いっぱいに涙を溜めていた。
「……湯口さん…」
「……ご…ごめんね、私が泣いても意味ないのにね!!」
桃は涙を袖で拭いて、ニコッと笑ってみせた。
みんなも、そんな桃を見てやっと表情が緩んだ。