OUT
「ありがとなぁ!!永遠!!」
尚は八重歯が見えるくらい、ニッと笑った。
「…どういたしまし…ぁ。」
永遠が小さい声をもらした。
「………ん?」
永遠の視線の先を、尚は追うように見た。
「………あ!!!」
二人の視線の先には、
フワフワで、プラチナブロンドの腰まである髪
小さい身長
独特な歩き方をした少女がいた。
「…川里ネロじゃん…珍しくない?川里がこんな早くから登校なんて!!」
尚はさぞ驚いたように言った。
永遠も、目を真ん丸にして、歩く川里ネロを見詰めていた。
川里ネロ
永遠と尚のクラスメート。
ヨーロッパ系とのハーフだと誰かが言っていた。
いつも5時間目から来る川里ネロを朝から見るなんて…今日は大雪かもしれない。
永遠はそう考えながら見ていると、尚が言った。
「…やっばー!!喋るチャンスじゃん!!」
「………え?」
尚はそう言った後、永遠から離れて、先にいる川里ネロの方に走って行った。