OUT

廊下と部屋の間の上から、液体がシャワーのようにでてきた。


「……?」


竜は突然の事で、シャワーを睨みつけた。


――すると…


「ぐぁあぁああ!!!!!」



夢が苦しそうに叫んだ。


「?!」


竜が見た物は…


シャワーに当たって、なぜか痛そうに爛れている…夢の左腕…


……これ…


「硫酸…?」



そのシャワーは有り難く、部屋から出れないように、ドア付近全てに降り注いでくる。


華菜が叫んだ。


「美咲ぃい!!!!!」


すると、向こうから声が聞こえた。

「………華菜ぁー!!」

華菜は美咲の声を聞くと、涙を流しながらシャワーに近づいて行った。


だがそれを、夢に止められた。

「…なにするの!!?美咲が…」

「これ…硫酸だぞ!!?これにうたれたら…体が溶ける!!!」

華菜は泣きながら唇を噛み締め、下を向いた。


「……え……!!?」


華菜の目が、大きくなった。


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