OUT
「あぶないのな…大丈夫か永遠?」
真理和が永遠の体をあちこちポンポンと叩く。
永遠は真理和に、
「大丈夫…うん…どこも…」
…と言った。
その時だった。
―――どす!!
ネロが永遠の背中を拳で殴った。
「んぐ!!!!!」
「え…?ネロちゃん…?」
ネロは明らか不機嫌そうな顔をして、呟いた。
「…寿命が縮まるかと思った…もうちょっと急いで…」
真っ黒の瞳を下に向け、小さな肩を震わせた。
心配してくれてる…?
そう思うと、永遠はなんだか嬉しくなった。
―すっごい怖かったけど
―すっごい恐怖を味わうけど
……変なの。
永遠は思わず笑ってしまった。
ネロと真理和は最初ア然と笑う永遠を見ていたが、つられて笑った。
「……………。」
その三人を余所に、真剣な表情をして、粉々になった携帯を見ているのは……深美だった。
「…そっか…おとり…」
深美はポツリ、と呟いた。