OUT
「…え?」
真理和が深美の方を向いた。
「…そうだよ!!!囮!!囮だよ!!なんで今まで気付かなかったんだろ?!これで無駄に寿命減らさなくていいんだ!!!!」
深美はとても嬉しそうに叫んだ。
三人はア然とした表情で深美を見る。
深美は続けた。
「…みんな!この屋敷にあるがらくた…俺らを助けてくれる道具になるかもしんねぇ!!!」
無邪気にピョンピョン跳びはねて喜ぶ深美を、真理和はただ呆然と見ていた。
ネロと永遠は頭の上に?マークを浮かばせる。
深美は廊下にあった花瓶を持ち、隣のドアに行った。
――ギィ―
深美はゆっくりドアを開けると、勢いよく花瓶を部屋の中に入れた。
――すると…
―ザァア…
ドア付近からシャワーがでてきて、足元から徐々に壁がでてきた。
――向こうにやった花瓶は無残にも硫酸のせいで溶けていた。
「……やっべ…これいけるわ…」
真理和が深美を後ろから抱きしめた。
「天才!!!エジソンだ!!エジソン!!!」
「前々からだよ馬鹿!!てか抱き着くな!!きしょい!!!」
これにはネロも永遠も驚いた。
……そうだ…
…出口には罠がない…
部屋に入ったら罠が作動する…
…その入るのを…人間ではなく…物にすれば…
「酷い罠ではなかったら…命を落とす事はなくなる…!!」