OUT



「ぅえ…うぇええ…」


助かりたいよ

帰りたいよ

もっと…生きたい…


「……ぅっ…」


華菜が鳴咽を漏らした…その時だった。


ミシミシミシ!!!!

「ぐぁああああ!!!」


骨が軋む音と同時に、夢の悲鳴が耳に入ってきた。


「……ひ…浩崎く…!!!」

華菜の大粒の涙が、機械に吸い込まれる。





―、私がずっとこうやって足を引っ張っちゃ…

「竜―…!!!」


…やっぱ……駄目…なんだよね……




華菜は最後の力を振り絞り、竜の手に、鍵を渡した。


「…別の所でつかって!!!…私は…もぅいい…」


―ゴキゴキゴキゴキ!!!!


華菜の左腕が、風力で粉々に砕かれる…


華菜は夢の手を掃った。


「…―――か―」





―ごめんなさい…!!

―二人は生きてください。





< 95 / 334 >

この作品をシェア

pagetop