OUT
「華菜ぁああ!!!!!」
竜が必死に叫んだ。
――が、もう華菜の体は巨大な機械の中に入り、グチャグチャと砕かれるような音だけが響いた。
いつのまにか…風は止んでいた。
竜は受け取った鍵を檻の鍵穴に入れ、回した。
――――カチャ……
鍵は簡単に開き、檻が開いた。
その瞬間夢は泣き崩れた。
「また…近くにいた人を救えなかった……!!あんなに生きたい…出口を見つけたいって言ってたのに……!!」
こればかりは竜も、へたれこんだ。
「―俺があの時…鍵を貰っておいたら…救えたはずなのに……」
二人はただ、華菜が入っていった巨大な機械を呆然と見ていた。