青春ガールボーイ



長い校長先生の話も終わり、一年は各教室に移動。



教室に行くまでに二年生の教室を通る。



「ねっねっ!花乃さん!
あの人もかなりいけてる!
爽やか系って感じだよねぇ!」



さっき話しかけてきた、
愛川 めぐむ(あいかわ)が指さした方をみる。



その人はまさに、先ほどの“あの人”だった。




「あー…あの人は、うん。
確かに中学の時もモテてたよー。
本人は自覚なしだったけどね」

「え、なになに。同中?」




一応。と答えると愛川さんは羨ましいー!と静かに悲鳴のような高い声をあげた。



でも、ここぞという時に意気地なしだからなぁ…。



ハルカ先輩と仲良くやってたらいいけど。




…多分まだ、告白でさえできてない。


いや、話しかけれてもないかも。



うん、心配だからやっぱり後で問い詰めよう。




「花乃さんっ、後で三年の先輩のこと教えてね!
あっ。てゆーか、クラス同じだね。
うち、ここに同中いないから仲良くしてね」


「あぁ、うん。もちろん。
よろしくね、愛川さん」


「えー?めぐむでいいよっ!
うちも、加奈子って呼ばせてもらうし」




なんと高校生らしい会話…。


めぐむちゃんかぁ。


悪い子じゃなさそうだし、良かった。




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