青春ガールボーイ


簡単な説明が終わり、ホームルームを、終えて急いで二年生の教室へ。




「ハルカせんぱーいっ!!」



教室をのぞくとすぐみえた私より少し高めの体に飛びついた。



「わあっ!
って、加奈子ちゃん!
どうしてここに?え、もしかして…」


「そうです!
私もハルカ先輩追っかけてこの高校に来たんです!お久しぶりですね〜」





上瀬 遥─────改め、ハルカ先輩とは中学時代、同じバレーボール部だった。


中学校時代に女子の友達がいなかった私にとって(人気の先輩をとったので嫌われてた)唯一、親しめる仲だったハルカ先輩。




そして、私とハルカ先輩が抱き合う姿を見つめるひとりの男を見つけて、にやりと笑った。



「あっれー?
颯ちゃんじゃないですか」



意気地なしの

と、心の中で付け加えた。



颯ちゃん───佐藤 颯太は、私のおもちゃ。


先輩だけど、そんなのおかまいなしで中学の時からいじりまくっている。



「あ、そうなんだよ。
佐藤くんも、この高校なの!
ね、佐藤くん」


「え…あ、う、うん…」



ハルカ先輩に話しかけられて、口ごもる颯ちゃん。



あーあー。

ほんと、残念男子だなぁ。

見た目爽やかなのに。


でも、こんな風にどもるのはハルカ先輩限定だからモテるんだろうな。




「ふぅん。そうなんですね。
あっ私、野球部のマネージャーするんですけど、ハルカ先輩も確か、マネージャーでしたよね?」


「うん、そうなの。
さんにんで仲良く頑張ろうね」


「はいっ!
颯ちゃんも、仲良くして下さいね」




そう言うと颯ちゃんは心底嫌そうな顔をして私を見る。



これだからいじめがいがあるのよね。



これから楽しみーっ。




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