青春ガールボーイ
出会う
「本日は入学式日和で暖かな太陽に包まれ僕たち新一年生は、ここ、都海第一高校に入学します」
少し冷たさの残る体育館で入学式が行われる。
新一年生は、325人。
入学式は、新一年生と生徒会、保護者などで行われた。
その中でも一際目立つ存在、加奈子は寒さに震えていた。
(あー、寒い!
なんでカーディガンきちゃダメなの!?
)
「ねぇねぇ、花乃さんっ!」
後ろから、かなりの猫なで声が聞こえてきて、少し嫌そうな顔をしながらも後ろを向いた。
「どうしたの?」
「話長いよね〜。もう、やんなっちゃう」
だからなんだ、と思ったがここはグッとこらえておいた。
「そうだね。
あ、でもここの高校、かなりイケメンの三年がいるみたいだよ?」
(大抵の女子は、この手の話で盛り上がるのよね)
「うそーっ!詳しいねぇ。
もしかして、狙ってるの〜?」
「はは、まさか。
あんなのと仲良くしたら女の敵が増えるだけだよー」
どうせ、遊ばれて捨てられるんだから。
そんなことわかりきってる人に、わざわざ行く必要もない。
「でもでも、遊ばれてみたいなぁ。
なかなかのプレイボーイっぽいし!」
プレイボーイかぁ。
……あの人は、そんな言葉とは真逆の人だな。
なーんて。
確かここの高校だったはず。
まだハルカ先輩と付き合えてないのかな…。
あとで、問い詰めよーっと。