きっと恋、これは恋。



…そういえば


といっては失礼になるだろうか。




お母さんにはまだ昨日のことを話していないと思い出す。






私が説明をしようとあたふたしていると、

修平が私の肩をくっと引き寄せた。




「昨日からだけど。

 …ひなたと付き合うことになりました。」






少しだけ照れているようにも見える修平が可愛らしくて、思わず私も口元が緩む。









でも、少ししてはっとする。




私が佐久間君を振ったのは昨日。


私達が付き合い始めたのも…、昨日。





このことを聞いて、佐久間君はどう感じただろうか。





応援してるとはいってくれたけど、


完全に気持ちがスッキリした状態ではないことは確かだ。





いや、むしろ。

昨日の今日で思いを吹っ切れる人のほうが珍しいと言えるだろう。





私が一人でモヤモヤしていると、

お母さんが口を開いた。




「じゃあ…

 大分ダメダメな娘だけど、宜しくね!」






お母さんは、にこりと修平に微笑んだ。






…ダメダメな、とまで言うかな。普通。



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