きっと恋、これは恋。



「ちょ、やめい!!」




ひなたは俺の頭をポカポカと叩いてくる。


…意外といてーよ。馬鹿。




「ひなたは俺の、どこが好き?」




ひなたの言葉が知りたくて。


聞いてみる。




しかしひなたはしばし黙ったままだ。





そしてこう言った。




「引いちゃ、やだよ…??」



ひなたの顔を見ると、

少し悲しそうな表情をしていて。



…なにいっても、引くことなんて無いに決まってるのに。



「引かないから。」




俺がこう言うと、
しぶしぶひなたはこう言う。




「ぜ、…全部、好き。」

「例えば?」



間を開けずに質問する。





「…例えば…。


 ドSだけど、実はヤキモチ妬きなとこ
 照れると耳まで赤くなるとこ
 モテるのに誠実なとこ
 気を許した人にしか見せない、歯を見せて笑うとこ
 心配性なとこ
 後ろ姿が凛々しいとこ
 ピアスの穴いっこも空いてないのも可愛い
 襟足が可愛い
 誰より優しくて、カッコいいとこ


 …もっとあるよ??」




ひなたは、意地悪そうな笑みを浮かべた。



< 159 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop