きっと恋、これは恋。
佐久間君と別れ、
教室までの道を二人で歩く。
「…ねぇ」
私は、勇気を振り絞って修平の制服の裾を掴んだ。
隣を歩く修平が、私の方を向く。
「どうした??」
…こうして見ている修平の笑顔は、
私だけに向けられたもの。
そう考えただけで、少しだけ嬉しくなる。
「…あのさ。
…佐久間君とばっかり、仲良くしちゃやだからね??
……私も、もっと修平と話したい。」
そう言うと、修平は私の頭をそっと撫でる。
「心配しなくても、
俺はひなたばっかりみてるから。」
私の考えを全て察したように、
修平は妖しげな笑みを浮かべる。
「佐久間にまでヤキモチ妬くとか、
ひなたってばかーわいい」
「なっ!!…可愛くないし。」
顔を反らした私を、修平は狙っていたかのようにして
修平はこう言う。
「嬉しいってことだよ。」
…やっぱり、修平は意地悪だ。
でもね。
そんな甘いところだって、
意地悪ところだって。
「好きだ。ばーか」
「知ってる」
全部、愛しくてたまらないんです。