きっと恋、これは恋。
「ねぇ、どうなの??」
あまり聞きすぎても、
千穂は口を塞いだまま開かなくなってしまう。
限度に気を使いながら、
慎重に聞こうとする。
「………」
しかし、なかなか千穂は口を開こうとしない。
…今日は無理って言うことかな。
私はある程度察して、自分の席に着こうとした。
…そのとき。
「あのさ…」
後ろから、小さな声が聞こえた。
それは紛れもなく千穂の声で。
「ひなたに恋愛相談とか…
してもいいかな」
千穂はその赤い顔のまま、
私に向かってそう言った。
もちろん、返事は決まっている。
「当たり前じゃん!!
うちら、親友でしょ!?」
微笑みかけると、千穂も安堵の表情を浮かべた。
私は、嬉しかった。
今までに千穂に頼ってもらえたことなんて、
数えるほど…
いや、もしかしたら一度もなかったかもしれない。
いつも頼ってばかりだから、
私も千穂に恩返しをしなくっちゃ。