きっと恋、これは恋。



_____________




キーンコーンカー…



「終わったー!!!」



私は、チャイムが鳴ったのとほぼ同時に叫んだ。




「おい、丸山。
 まだ一応授業中…」



先生の声が聞こえなくもなかったが、
そんなの今は構っちゃいられない。



「さぁ千穂。話そう!!」


「いや、ちょっと待て。
 ひなた、落ち着け。」


「もうチャイムは鳴ったよ!!」




私が目を輝かせながらそういうと、

千穂は大きな溜め息をつき、
こちらを向かずに言った。




「私は、知らないから。」




なんのことかよくわからず、私が首を傾げると、

千穂は私の前方を指差した。


いや、千穂からしたら斜め後ろかもしれない。



私は少しだけ、嫌な予感を感じた。


まさかね…

そう思いながら千穂が指差した方を見ると
案の定、そこに立っていた人物は…


「おい、丸山。」


「あの、えっと…はい。」






……私の大嫌いな、先生でした。








「まだ授業をやっているのが分からないのか!!?

 そんなに話したいのなら授業が終わってからにしろ!!

 分かったか!?」




その言葉に私は渋々頷く。




「…はい。以後気を付けます。」






そのあとは数分で授業が終わった。


先生がイライラしているのも

私を睨んでいるのも

全部、気のせいだと思いたい。





…思いたかった。




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