きっと恋、これは恋。
「鍵は後で渡すから。
まぁ、せいぜい真剣に取り組んで反省することだな。」
私が唖然としているなか、
先生はそう言って教室を去っていった。
嘘だろ…
まるで、絶望のふちに立たされた瞬間。
大袈裟なんかではない。
あの千穂からの恋愛相談。
ちゃんときいてあげよう。
力になってあげたい。
そう、思っていた。
その矢先にこれなんて。
先生は鬼か。鬼なのか。
この時ほど先生のことを憎いと思ったことはない。
「ひなた。」
私があからさまにガックリとして席に着くと、
それを察した千穂が声をかけてくれる。
「…資料室、だって。」
私がそう言うと、
千穂も「あー…」といって苦笑いをした。
「ごめんね!!
話って、明日でも大丈夫かな?」
泣く泣くそう告げると、千穂はなんで?とでも言いたげに首をかしげる。
「私も掃除、手伝うよ。」