きっと恋、これは恋。
その後は、
千穂と久々に恋ばなをした。
でも、千穂の気持ちを直接喋ってくれたのは初めてだった。
いつもの恋ばなといっても、
私が一方的にはなしているだけ。
千穂はそれを黙って聞くばかりで、
自分のことは話そうとしなかった。
でも、今日は違った。
「浅井ってさ、誰にでも優しいの。
困ってる人がいたらすぐ助けてあげるし、
人が嫌がることとか絶対しない。
…そういうところが、好き。」
そう言って、素直に照れている千穂を見ると、
"乙女だなぁ"
と感じた。
もともと可愛いのに、
自分で言ったその言葉に頬を染める表情なんかは可愛いで言い表せないような。
「…千穂。」
「あ、ごめんね。
こんな話しちゃって!!」
そうじゃない。
私は千穂の方を向いてニカッと笑う。
「千穂の気持ち、分かって嬉しい!!
話してくれてありがとう!!」
すると千穂は
「ううん。
ひなたも、聞いてくれてありがと!!」
横結びにした髪が、
歯を見せて笑うその顔が、
夕陽に照らされた。
「その顔、浅井以外には見せちゃダメ」
私がそういうと、千穂は首を傾げた。