きっと恋、これは恋。



プルルルル プルルルル




部屋に入ってすぐに、
電話帳から千穂の名前を探してかけた。




何回かコール音が聞こえて、
かけてから約30秒後にそれは途切れた。






『もしもし。ひなた?』




「もしもし、あのね!!」






修平に告白の件を相談したこと

さきほどの案について


事細かに説明すると、

全て話し終わった後に千穂はこう言った。






『八田に告白の件話すことに関して、
 躊躇とかは無かったわけ…??』





それには思わずあっと声を出した。





「ごめんね…つい…」





申し訳なさから謝ると、

電話越しに千穂の笑い声が聞こえた。






『怒ってるわけじゃないよ。
 
 どのみち八田にも話聞いてもらいたかったし。

 …むしろ、こっちこそ
 八田と黙って一緒に帰ったりして、ごめん。』







これは明らかに私が悪いのに、
そういってもらえてホッとした。


しかもまさか私の方が謝られるなんて。

千穂も律儀なものだ。



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