きっと恋、これは恋。
…そういうの、反則っていうやつだよ。
不意討ちのその笑顔に、不覚にも鼓動が速くなるのを感じた。
「彼氏なんて、つくんないし。」
つくらないのは、浅井だけがずっと好きだから。
そう言いたいのに。
「平井は、好きな人いないの?」
浅井が私に問いかける。
「そんなの、あんたに関係ないでしょ?」
嘘つけ。
一番、関係深いじゃん。
関係ないわけないよ。
「そっか…じゃあ、教室で。」
浅井は着替えに更衣室へと行った。
一人になると、改めて感じる。
なんでこんなにも素直になれないんだろう。
天の邪鬼なこんな私なんて…大っ嫌いだよ…。
浅井が言ったら傷つく言葉を、
まるでわざと並べていっているようだ。
自分が嫌で、しょうがないよ…。