きっと恋、これは恋。



「ああああああ
 
 怖い怖い怖い怖い怖い

 修平、やっぱやめない??」





私は中に入ってわずか2秒後に発した。


しっかりと修平の腕を掴み、歩くことすらままならない状態だ。




それでも修平は



「もう中入ったし、最後まで行こうぜ

 ずっと掴まってていいから。」




最後の一言はかっこいいし嬉しいのだが、

このまま歩いていったら私は途中で倒れてしまいそうだ。



この遊園地のお化け屋敷は怖いと噂されていたし、
本当にどうなるか分かったものではない。





許可をもらい、修平に抱きつきながらジリジリと少しずつ前に進んでいく。




すると。




ヒタ…ヒタ…



背後から不気味な足音が聞こえてくる。




「ちょっと!!う、後ろ、なんかいるよね…!?」


「そうだねー」




しかし、修平が怖がっている様子はまるでなく、

怯える私を楽しんでいるようにも見える。




「ねぇ、なんか修平、私見て楽しんでるよね?」


「だって面白いから。」




暗闇でよく見えないが、このとき修平は満面の笑みを浮かべていたという。





< 227 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop