きっと恋、これは恋。



思っていた通りの言葉に、

僕はもはや動揺なんてしなくなった。



いつからこんな人間になってしまったのかな。



告白してもらっている分際で、
なにをやっているんだ。




はぁ




思わず彼女にも聞こえてしまうような大きな溜め息をついた。




はっとして彼女を見てみると、

返事を待ち、

僕を心配するかのように見つめていた。







相手が誰であろうと、

僕の答えはかわらなかった。






「ごめん。僕、好きな人がいるんだ。」





いつもなら、ここでおしまい。




僕はじゃあ、といってその場を立ち去ろうとした。





すると、ふいに後ろから制服の裾をくっと掴まれた。







「私じゃ、ダメですか!!」






そう、彼女は言った。






< 257 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop