きっと恋、これは恋。
おさえられた腕を振り払うことのできないまま、
私は修平のいいなりに、
動けずにいる。
怖い。
そうやって、心の中で思っているはずなのに、
なんでかな。
嫌だとは思わない。
多分、それは修平が私にとっての”特別”だから。
でもそれは、恋とは違う思い。
…多分。
それからほどなくして、私は修平から開放された。
私の顔は、きっと今とてつもなく赤い。
それはもう紅葉のように。
私はただただ祈る。
この、赤くなった顔が、
私の今の感情が、
修平に気づかれませんように……
…しかし
そんな願いは、約3秒後に砕け散った。
クスッ
隣から、小さな笑い声が聞こえる。
それは次第に大きくなって。
「…ひなた、顔赤すぎ!!」
修平は私にそう言った。