きっと恋、これは恋。

そのあとはしばらく

なにごともなかったかのように会話を続けた。





しかし。


私はあることに気づいてしまったのだ。





「あの…」






少し聞きづらく、

かしこまったように修平の方を向いた。





「…返事は、いつすればよろしいでしょうか」




思わず敬語をつかう。



…馬鹿も馬鹿なりに意識をしてしまうものだ。





修平は少しだけ考える素振りをしたあと、

私の方を見ながらこう言った。





「俺のこと、好きになったらな」


「…はぁ!!?」





その衝撃的な言葉に驚き、

私は大きな声をあげた。







なにこいつ


なんでこんなに自信満々なわけだよ






…確かに、

修平は幼馴染っていうのを抜いてみても

普通にかっこいいと思う。




不本意ながら、

修平が告白されているところも何度か見てしまったこともある。



…いやいや、ほんとに不本意だってば。




…でも、だからって。


私が修平のことを好きになるかなんて分からない。





…どうせなら、だな。




「じゃあ、絶対好きになんかなんない」



私は修平を見つめ、そう言った。





「絶対おとすから」




即答されたのがいらつく。




ねぇ、私、

この勝負絶対に負けないよ？




絶対に、修平に恋なんてしないと

今ここで決めたから。












「みてろよ、お前」



「そっちこそ」









目を合わせ、見つめ合うこの状況ははたからみたらおかしいものなのだろうか。




でも、それにドキドキしている自分がいるのに、


私はまだ気づいていない。





…きっと、これからのことなんて誰にも予想できないだろう。



私だって思っても見なかったことがたくさん起こったから。







『ねぇ、惚れる準備はいい??』






そうなにかを企むように言った君の顔を、

私は見つめた。