きっと恋、これは恋。



アハハ…

と軽く笑う。


そしてもう一度質問をした。



「えっと…

 この顔のどの辺がいいわけ?」



これは本当に思っていること。


私自身、今まで一度も自分を可愛いなんて思ったことはないし。


当たり前っちゃ当たり前のことだけど、

そんなに"美人"を連呼されると、

やはり気になるものだ。



少し俯き気味だった顔を上げてみると、

そこには口をポカーンと開けている佐久間君がいた。


そんなに驚くのか…!!?



「どこって…

 平たく言えば全体的に整っていますけど、

 僕が好きなのは…


 先輩の、笑ってる顔…です。」




最後の方は声が小さくなっていたが、

きちんと聞こえた。


"笑顔が好き"


初めて言われた言葉。


なんだか胸の奥があったかくなって


ドキドキする。



佐久間君は、私のことをそんな風に思ってくれていたんだ…。



そのことの嬉しさに、

私もつい顔が赤くなってしまう。



褒められるのはなれてないから。


嬉しいけど、

そのぶんどこかむず痒くて、

恥ずかしい感じがする。


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