きっと恋、これは恋。



修平は屈託のない笑顔でこちらに駆け寄る。



「遅すぎ」



そう言って修平は、

私の頭をポンッと撫でた。




なんでそんなに優しいの?


なんでこの時間まで待ってたの?


風邪引いたら、どうすんの?




修平がすっごく優しいの、知ってる。



そんなところが、大好き。



「帰ろう?」



自分の手を、私の方に差し出した。


私はそれをぎゅっと握る。



…修平の温もりを、感じる。




「…なんでも話せよ。

 ちゃんと、聞いてるから。」




隣を歩く修平はそう言う。




あんまり優しくしすぎないでよ。





「あ…たし…

 佐久間君、振ったの。


 …好きな人がいて、その人のことがすごく好きで。だから、付き合えないって。
 そしたら、笑顔で
 "分かってた"って。

 振られるの分かってて告白するのって、どれぐらい勇気がいるのかな。
 そうやって考えたら、私もう…」








最後はもはや言葉になっていなかったと思う。


途中から、涙が溢れた。


私が泣いている間、

修平はずっと背中をさすっていてくれた。




…好き。


すごく。



修平が、好き。



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