きっと恋、これは恋。
第四章 好きな人
side弘人
______"佐久間君!!"
先輩は、僕のことをそう呼んだ。
先輩は僕を覚えていないよね。
あの、たった一瞬の出来事を。
いいんだ、それで。
先輩が悲しむ顔なんて、見たくないから。
僕のことは、忘れてもいいんだ。
…告白をしなかったら
僕らはもう二度と、関わることはなかったのかもしれない。
僕は傷つかなかったのかもしれない。
それでも
先輩と出会って、恋に落ちて、
振られたことだって。
僕にとっては、大切な思い出だから。
…先輩。
ずっとあなたを、好きでいてもいいですか?