きっと恋、これは恋。
「ッ!!?」
足首が、変な方向に曲がる感覚があった。
でもここで止まったら終わりだ。
僕は転びそうになった体制をおこし、
再び何も無かったように走る。
一歩進むごとに、
捻った足に激痛がはしる。
痛みに顔を歪ませつつ、僕はなんとか抜かされることなく次の走者にバトンを繋ぐことができた。
そのあとは他の組に速い人がいなかったのか、六組は余裕をもって一位でゴールした。
足が、痛い。
割と自然に振る舞う僕の微かな異変に気づいてくれる人は、一人としていなかった。
僕が席に戻ると、クラスの子達に囲まれてなかなか保健室に行くことができなくて。
ちらりと足の方に目をあてると、捻ったところが腫れているのが分かる。
すると
「ちょっと」
声が聞こえた方を向くと、
そこにいたのは丸山先輩だった。
「なんで…」
「こっち」
なぜ僕に声をかけたのかを聞こうとすると、強引に手を引かれた。