きっと恋、これは恋。
「あの…
どうしましたか?」
無言で手を引かれ続けていたけれど、
やはり理由は重要だ。
「なにって…
足。
かばってたでしょ。」
先輩は、僕の足元を指差して言った。
…気づいて、くれてたんだ。
近くにいたクラスの人ですら気づかなかったのに。
遠くで見ていた先輩は、気づいてくれていたんだ。
ドキッ
不思議な感覚があった。
ドキッとかいって、胸の高鳴る感覚。
僕がボーッとしていると、
丸山先輩は手を差しのべてくれる。
「歩くのきつい?
肩かすよー?」
そう言って、にかっと無邪気に笑うんだ。
「保健室、いこっか!!」
僕はただ、
手を引かれるままに先輩についていった。
…なんだろう。
この気持ち。
初めての、感じだった。