きっと恋、これは恋。



先輩に告白したとき


先輩は僕が誰だか分かっていなかったよね。



…うん、当たり前。




言って、思い出してもらえるなら。


僕はきっと言っていた。


体育祭のときのことを。




でも、先輩にとってあれは

"当たり前"であって、"特別"じゃないんだ。




僕は先輩の優しさに惚れた大勢のうちの一人。






ただ、僕だけを見てほしかった。




一秒でも多く、あなたのそばにいたかった。



先輩の記憶に焼きつくほど、


深く、深く。








告白できたからおしまい


振られたからおしまい






…そんなわけないじゃないか。





きっとこれから、

先輩は通常通り空回りをするから

そのときには

僕の方に振り向かせて見せるよ。




そんなの無理?


…僕が一番分かっている。





それでも


一パーセントでも希望があるなら。




それを信じて、



好きでいるんだ。













先輩。




ずっとあなたに恋をする僕と


友達でいられますか?




僕の感情を抑える方法を知っていますか?








先輩がもし、いいえと答えるなら。



僕とはいないほうがいいかもしれない。


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