好きになって
「で、慌てて婚活?し始めたんだよねー」


「えっ?」


初耳だ。


「まぁ、婚活って言ってもお見合いしたのよ。で、今の旦那と知り合ったわけさ」


美人な由里子先輩がお見合いして結婚していたなんて、意外…


「あっ、今、意外って思ったでしょー?」


どうらや、顔に出ていたみたい。


「すみません。思っちゃいました…」


素直に謝る私。


人を見た目で決めつけちゃだめだよね。


「でも、それで運命の相手と出会えた!って思ってるから私。惚気だけどねー」



そう言ってニコニコ話す先輩は、とても可愛かった。



それから、お互いの過去の恋愛の話や仕事のことなど沢山話した。


こんな話、職場では出来ない。

誘ってもらって、良かったな…なんてしみじみ思っていたら、由里子先輩が突然思い出したかのように携帯を取り出した。


「そうだ!今、呼んじゃおっか!」


へっ?呼ぶって、誰を?



旦那さんは、出張中だし。


「前に話した、合わせたい人!
多分、もう仕事終わってると思うし。私の呼び出しなら、絶対に来るから」


「えっ?いや、でも先輩。もう11時ですよ?そろそろ帰りませんか?向こうも今からなんて大変ですし」


慌てて止める私の言葉も無視して、由里子先輩は電話をかけ始める。



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