好きになって
えっー!


嘘でしょ⁈



「姉ちゃん…もしかして俺のこと言ってなかったの?」


「あれっ?言ってなかった?」


あっさりと答える由里子先輩。


「いっ、言ってないですよ‼︎」

まさかまさかの!


由里子先輩の弟さんが芸能人だったなんて!



「話した気満々だったわー」


のんきな由里子先輩。


今、私の目の前にいる彼は紛れなくあの、堂本剛さんだ。


「嘘…本物?」



私の一言に、彼は苦笑い。


「あはは。本物本物!
姉ちゃんの後輩だよね?名前は?」



「あっ、一色美咲と言います!由里子先輩にはいつもお世話になっております!」


慌てて自己紹介をする。


「元気いいね。堂本剛です。姉ちゃんがいつもお世話になってます」


ニコリと笑う彼は、テレビで見ているとおり素敵な笑顔だ。


やばい!

今、ちょっとくらっときたよ。

さすが、芸能人。

感心している私を他所に、由里子先輩はまた、弟さんと飲み始めた。


「先輩、飲み過ぎですよ!」



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