遥か彼方(短編)

また明日の約束






今日は調理実習。
カップケーキを作るの♪
「やっぱり優子は恭介さん。葵は遙さん。私は…誰にしよう?」
「そんなの、美咲は上野くんに決まってるでしょ!」
そうだよ。優子のいうとうり。でも、誰にって、まさか…。
「あのね。上野くんは諦めたの。彼には好きな人がいて…。」
「美咲はそんなことで諦めるの?私なんか彼女いる人好きになって奪ったことあるし、奪われたこともあるのよ!」
さすが、恋愛のプロ優子様。
美咲の言ってた好きな人って誰だろう?
「上野くんに言われたの。三浦とその子は仲良いから協力してくれって。」
上野くん、何でなの?美咲のことみてたじゃん。
あ、でも見てなのは私達三人。つまり、美咲だけじゃない!?
「あ、上野くんの好きな人って――」
「はーい、手順通りに作ってください」
先生の合図と ともに皆が動き出した。
「さぁ、早く作ろう!私、料理得意だし。出来たら二人にプレゼントするね!!」
私でも美咲の作り笑いはすぐわかった。
上野くんの好きな人って優子かな…?
「ほら、葵!ケーキ焼けてるよ!」
「えっ!ヤッバ!」
遙、受け取ってくれるかな…?
「出来た!」
「可愛くラッピングして恭介にあげなきゃ!!」
「めっちゃ美味しそう!」
もぐ。うまぁ。
カップケーキうまい。幸せ〜♪
「あ、美咲。あのね、上野くんの好きな人って優子なの?」
「はぁ?」
え?優子怒っちゃった?
「あははは!葵ったら、ホント笑える!」
「え?私なんかおもしろいこと言った?」
「ふふ。優子じゃないよ。あー心配して損した。葵がもし上野くんに告白されたら嫌だなって思ったのに、遙さんがいるから意味ないじゃん!」
あれ?今さらっと葵がって。
< 10 / 30 >

この作品をシェア

pagetop