遥か彼方(短編)
出会いの海
「あ、おはよー葵!」
「おはよ美咲」
私は高校二年生の松本葵。
美咲こと三浦美咲は私の大親友だ。
美咲は黒髪ロングのストレート。ぱっちりした大きな目に長い手足。
すっごい美人。
「葵!聞いて!さっきメアド教えてもらっちゃった!」
美咲には好きな人がいる。
隣のクラスの上野健くん。
バスケ部のエースで、皆が言うイケメン。
ま、私は興味ないけどね。
「良かったじゃん。もうメールしたの?」
「えっと……。実はまだなの。何て打ったらいいか……。」
「普通に 登録よろしく でいいでしょ」
あ、やば。美咲可愛すぎ。
私も新しい恋したいなぁ。
「どうしたの?あ、葵、思い出した?ごめんね。」
美咲が心配そうな顔で見てくる。
「ううん。違うの。恋がしたいなって。」
思い出したって言うのは、私の元カレのこと。
告白して付き合ったけど、浮気はするし、束縛激しいし。嫌だから振ったらすぐ彼女作ったらしいし。顔だけの男だった。
「葵さ、今度うち泊まる?夏休み近いし。海とかプールとか!バーベキュー付きで!」夏休みまであと二週間か…。
「うん。今年は女子だけで過ごすかな。」
こんな感じに夏休みの話をしていたらケータイがなった。