遥か彼方(短編)
遥か彼方
「…君は今、この海を見てるかな…?」
私は今でもあの手紙を大事に読んでるよ。
渡したいもの…ペアリングだった。
もちろんつけている。
「この海に来ると、君が隣にいる気がするんだ…。」
遙と出会って、短い時間だけど、たくさんの経験をした。
恋する喜び。
命の尊さ
悲しい別れ
全て、今となっては大切な思い出だよ。
「ねぇ、遙。遙との約束、今でも守ってるよ。」
そのとき、遙が「葵…」って呼んだ気がするんだ…。
また涙が出ちゃった。
ねぇ遙。
君は私といて幸せでしたか?
後悔はしていませんか?
死ぬのって、辛かったよね?
何もできなくでごめん。
でもね、私は今、遙が見てるって思うと笑顔になれるんだ。
あの頃はとっても幸せでした。
この海を君と見れたらなって思います。
たとえ皆が君を忘れても、私は絶対忘れない。
いつか、生まれ変わっても
恋人になれますように。
君は今、遥か彼方にいるね。
“私は今も変わらず、遙だけを愛しています”
届いたかな?
この気持ち