そういうとこ、すき
そういうとこ、すき
 飲み会だと聞いていた。だからある程度は遅くなるだろうとも澪波(ミオハ)は予想していた。だが、今まで聡太(ソウタ)が飲み会でこんなに遅くなったことはない。ラインには連絡したが、既読になる気配もない。

「こんな遅いならちゃんと連絡しなさいよね…。」

 心配で眠れないじゃない、とは本人には言わない。

 ピーンポーン
 部屋のチャイムが鳴った。聡太ならば鳴らすはずのないチャイムが。

「12時過ぎてるのに聡太以外に誰が…って聡太!?」

 インターホンを確認するとコートが明らかに聡太のものだった。顔はよく見えない。

「今開ける!」

 澪波は急いで玄関に向かった。そしてがチャリ、と鍵を開けた。
< 1 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop