極妻
7)紅蓮の夜
それから三日後の夜。
私がひとりでお風呂に入っていた時だ。
湯気の立ち込める天井を見つめていると、ついボーッとしてしまい、先日の朔夜の態度を思い出していた。
私が「夫婦なんて形だけや」って言った時の旦那さん、なんとなく傷ついたように見えたけど、気のせいやろか……
……そうやろな、気のせいや。
あの旦那さんが私の言葉で傷つくわけないやん。他にもいっぱい女の人がいるんやから。
そうや、慰めてくれる子がぎょうさんいてるんや!
……アホらし。
もーーーっ、やめや!やめや!
旦那さんのことで悩むのやめよ!!
気持ちを切り替えて、浴槽から出ようとした。その時、バチバチっとまるで薪が燃えるような音が窓から聞こえた。
.