極妻
9)離婚・朔夜の一目惚れ




尊兄ちゃんが帰った日の深夜、旦那さんは意識を取り戻した。


容態も徐々に良くなり、お医者さんが驚くほどの回復力をみせて私を安心させた。もともと生命力が強いのかもしれん。


けど、やはり全身におった火傷の痕は、移植でもしないかぎり今の医学では消せないそうや。


不幸中の幸い、顔の中心部は無事だったものの、火傷は両足の脛、首から左顎と頬まで達している。


けれど、それがむしろ朔夜の人間離れした美貌に凄みを与えた気もする。


ただ本人がその事をどう思ってるのかは分からない。と言うのは入院中、私にそっけない態度をとるからちゃんと話せないてないんだ。

お礼も言えないままやった。


そして、まだまだ残暑が残る9月。新学期が始まる頃、朔夜は退院した。


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