極妻
お互いを『血も涙もない鬼』とか『冷酷な悪魔』なんていい合う二人が仲良くなるなんて、やっぱり夢やろか。無理やろか。


それに私は朔夜と離れて、実家に帰った方がいい気がする。


兄ちゃんのためにも、旦那さんのためにも……自分のためにも?



「なぁ?車停めてくれへん?ちょっと一人で歩きながら考えたいわ」


「……お一人で?お気持ちは分かりますが最近この辺りはキナ臭いですから、それはできません」


うちの周りで二度三度と危険なことが起きてるせいか、鬼塚さんはSPのように目を光らせ、うちを守ろうとしてくれるようになった。


「キナ臭いて何?」



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