極妻





それから3日が過ぎた。
離婚することを正式に決めてからも、屋敷はとくに変わった様子はなく、ただ私の荷物だけがまとめられていく。


朔夜とは屋敷や学校で顔を合わせても、向こうは私を完全無視。話しかける隙も与えない。


そのかわりお方様たちには、ここぞと目を輝かせて嫌みを言われた。


「おやおやとうとうご実家へお帰りですってね?地方の田舎で育った方にやはり都会は合いませんでしたか?」


「時間の問題とは思ってましたけど。朔夜様は変わったモノがお好きな方ですし」


「飽きるのも早い方ですけど」


「朔夜様の正妻の座という夢を見れて、よろしかったですわね?」


廊下でばったり出くわそうもんなら、こんなむかっ腹の立つ言葉をネチネチ浴びせられる。


「あんたらの意地悪で歪んだ顔を、もう見れんと思うとせいせいを通り越して寂しいわ!朔夜に飽きられんよう、そっちも精々気ぃつけぇや!!」


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