極妻
駅のホームに降りたとき、ちょうど目当ての電車がすべりこんで来た。


乗客のまばらな車両に乗り込むと、窓からきらびやかな東京の景色を眺めた。


ネオンはどんどん流れていく。それでも途切れることはない。そしてあふれる人の群れ。『不夜城』ふとどこかで聞いた言葉を思い出した。


胸はずっとドキドキしたまま。走ったことだけが原因やない。


旦那さんは、もう学校で待ってるんやろか?


この時の私はおかしなテンションになっていて、夜やのに学校に呼び出されることの違和感を深く考えなかった。


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