極妻
「…ううぅ…っ…怖っ…!!」


校舎の裏手にある旧校舎までとりあえず来てみた。やはりなかは真っ暗で、足を踏み入れるのをためらってしまう。


うわぁ…どないしょ?


そっと入口に手をかけてみると、扉は開いた。朔夜が鍵を開けたのかもしれない。


「……旦那さん?いる?」


暗い廊下に声をかけたけど沈黙と闇しかない。もうすでに帰りたくなってきた。


帰ろかな……?
でも、ここまで来たし……。


「……うーん…」


少しでも気をまぎらわそうと、わざと一人言を呟いて、迷ったものの、中へと足を踏み入れた。


ギイッ…っと、床の軋む音がいつもの何倍も響く。


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