極妻
「だ、旦那さん…?どこー?……うえぇめっちゃ怖ぁぁ……」


なんかまるで肝試しやん!朔夜のどあほ!!


スマホの明かりをライト代わりにして、暗い廊下をゆっくり歩いた。そのたびに床がギシギシいうから恐怖倍増。


まさか、幽霊とか出ぇへんやろな!?うちそういうの苦手やねん!!もー腹立つ!!


「さくやーぁ!?」


半泣きでソロソロと歩いていたら、背後に人のせまる気配を感じた。


誰か後ろにいる!?


「旦那さん!?」っと、瞬間、振りかえってスマホをかざした。


すると、人影があっという間に私に迫ってきて、手に持っていたスマホを弾じかれてしまった。


「…っ!?」


それは一瞬のことで、相手の顔は見えなかった。でも体格からして男やと直感した。


そして何が起きたのかも分からないうちに、両手で首をつかまれた。


「………!?」


冷たい皮手袋の感触が首に食い込む。


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