極妻
「朔夜様は……心のない方でした……むかしからどんな女の人にも心を開かず……誰も愛さない方でした」


「それが何!?」


「ですから許嫁の方がお嫁にいらしても、変わらないだろうと思ってました…。でも、小夜子様に対してだけは違いました。はっきり態度に示さなくても」


「はぁ…!?」


「それが悔しくて、悲しくて……」


ふだんと別人のように、ポロポロ泣いてる彼女をみてたら怒りよりも悲しくなってきた。


何を言うてんの?朔夜がうちを好きって言いたいん!?そんなわけないやん!!あんなに冷たいのに!!


そんなわけ……。


「あんたアホやなぁ。うちに嫌がらせしたって、朔夜が自分のものになるわけやないやん。そんな暇あんなら、気持ちぶつけたら良かったのに!

それに朔夜は、心持っとるよ!
そこに気づかんなんて、アンタ一体朔夜の何を見てたん!?」


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