極妻
3)初夜





『大倭会』は関西XX県を拠点とし、その歴史は明治に遡る。



初代草薙國由が沖仲仕を集めてXX市内を 本拠に結成。のちに“関西ヤクザの頂点”と言われる神木組の傘下にあっての結成で、当時は『三河組』として発足。


しばらくは神木組の傘下にあって活動したものの、いつしかその勢力は本家をも凌ぐものとなり、


1930年の草薙吉徳の二代目襲名を経て、XX市場の開設に伴う利権を巡り、神木組と対立。


死者を伴う激しい抗争の末にXX市場の独占権を得るに至り、1941年をもって神木組を独立。


現在、直属の組織だけでも百や二百を数え、さらに全国の二次団体、三次団体なども加えると、形成する人員は10万人を超える。

日本で最大規模の暴力団組織の一つとなる。



対する御劔組は関東に本部を置き、特に新宿、渋谷、六本木などを一手に牛耳じる新興勢力で、縄張りに余所の組を一切寄せつけない。



規模や歴史において、大倭会に及ばないまでも、この十数年で勢力は拡大の一途をたどり、ついには大倭会も無視できない存在となりつつある。



何より、東京の主要都市を支配する御劔組と提携することは、大倭会の組織を磐石なものとし、同時に、落としきれていない関東支配の布石として重要であった。




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