極妻
どうやら私は"オブラートに包む"ということが出来へんらしい。


くわえかけたタバコが朔夜の指からぽとりと落ちた。


「…………ハァァァァッ!?」


「……ってそんなわけないよな?勘違いやな!?アンタめっっっちゃ冷たいし!」


「ケンカ売りに来たンか」


「ちゃうよ!?最後にちゃんと旦那さんと話したくて来たんや。火事が起きてからろくに話もしてへんし」


私は朔夜のまえに腰をおろした。


「何で急に離婚て言い出したん?」


じっと朔夜を見つめると、目線を反らさせれた。なんとなく、そわそわ落ち着きがないようにも見える。


「だって小夜子帰りたいんだろ?」


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