極妻
「………え」


意外やった。その言葉も、言い方も。
まるで不貞腐れた子供みたいに見えたから、不覚にもドキッとしてもうた。


「アンタ、…………………もしかしてずっと拗ねとったん!?」


「バカ!ガキじゃねーっつの!つーか小夜子はここにいねー方がいいんだ」


「何で!?」


「…………」


「うちらもうすぐ会えなくなるんやで!
うちはアンタの気持ち、一度も聞いてない。大事なことなんも訊いてない!そんなんイヤや」


さらに顔を近づけると、朔夜はふて腐れたようにため息した。


「アーッ……!面倒くせーな!……俺には敵が多すぎんの!それが小夜子を巻き込んでる」


え?どういう意味?


もしかして火事の責任感じてる?自分のせいやって思ってるんやろか。


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